顧客情報の活用

学内で保有する顧客情報(保護者・寄附者・共同研究先等)を見える化し、
インクルーシブな環境を構築

導入の背景

 「東北大学ビジョン2030」では、ステークホルダーエンゲージメントの重視を掲げており、民間企業・寄附者などのステークホルダーに対し、個々のアクティビティに応じた適切なコミュニケーションが求められているところです。一方、本学では学内に様々な部局が存在することにより、これまで主に部局ごとに収集した情報を管理していました。このような情報を一元管理し、可視化・定量化したデータを大学全体で共有することによりさらなる顧客ニーズを発掘し、その期待に答えていくことを目的に、効率的かつ円滑なマネジメントを実現するため、名刺管理DB、マーケティング活動自動化ツール等、複数のシステムを組み合わせて、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)システムを整備しました。

学内でのCRM活動啓発

顧客情報を活用し、さらなる信頼関係構築、外部資金獲得、外部からの情報提供、外部との接触情報の集約的な東北大学の様々な方面での推進活動での活用が想定されます。そのためには実際に使用する大学事務職員へCRM関連のSaaSについて啓発する必要があると考えます。そのため、Sansanユーザーの大学事務職員へ向けて、メールマガジン第1弾として恒常的なカスタマーとのコンタクト登録についての情報を配信しています。

DM機能の実装

名刺収集の電子化の実装として本学で運用しているSansan株式会社の名刺管理DBによる学内保有名刺(ステークホルダー情報)を活用し、東北大学グリーン未来創造機構シンポジウムの案内メールを配信しました。その送信先のうち、約2割の方々に来場の申込を行っていただくことができ、シンポジウムの開催周知に有効活用することができました。また、学生の保護者に向けては、学内活動の周知を同機能により図り、ステークホルダーの満足度を上げるためのDM施策を実施いたしました。

共同研究の可視化

共同研究の契約実績の、他部局への可視化を実装するための活動を行っております。またその可視化データを、例年通り継続して契約締結を行う場合の、案件の引き継ぎシートとしての活用も進めています。1件1件のみの可視化ではなく、全体として共同研究契約が何件あり、総額の契約額がいくらかといった情報や、共同研究の経緯に関するコンタクト情報の記載、過去の共同研究契約の閲覧可視化等を含め、今後の共同研究促進に繋がる仕組みづくりを進めていきます。2024年度に実装予定です。

今後の展望

CRMの意義を学内に広げ、将来的に全学でのCRM情報の共有や、ニーズ情報をもとにした積極的な広報・研究活動による、寄附金や共同研究契約獲得の実現を目指しています。