AIナレーションソフトの導入

動画制作プロセスの合理化と効果的な時間管理を実現

概要・導入の背景

 AIナレーションソフトウェアは、入力したテキストを自動的に音声に変換することができ、人工知能技術を利用することでより人間の発声に近い自然な形で文章を読み上げてくれるスグレモノです。学内研修や取組説明をはじめ、プロモーション等の広報活動まで、業務を取り巻く様々なシーンで動画による情報発信の需要が高まる中、より質の高いナレーション音声の収録は、専門性のある人材の確保や機材調達の観点から、動画を制作する上でのネックとなっていました。高品質なナレーションパートを効率的に制作し、発信スパンを短縮すること、また制作のハードルそのものを下げることを目的として、2023年2月よりAIナレーションソフトウェアを導入しています。

導入による効果

 従来、ナレーション音声の収録には、適切な声質を持つスタッフの選定、静かな録音環境の確保、関係者のスケジュール調整など、様々な段階で時間がかかっていました。さらに、収録や録り直し、整音作業なども含めると、1つのプロモーション動画を作成するのに相当な時間が必要でした。また、専門的な知識や専用機材が必要であり、これらを確保することも難題でした。

 しかし、AIナレーションソフトウェアはこれらの課題を解決する力を持ち、PC端末と専用ソフトウェアがあればいつでもどこでもナレーション音声を作成できます。また、操作も直感的で専門知識が不要です。さらに、音声データの修正も容易であり、作業効率が4~5倍に向上し、動画コンテンツの量産に貢献しています。

活用事例

 2023年2月にソフトウェアを導入して以降、業務のDX推進プロジェクトにおける学内・学外向けプロモーション動画コンテンツを中心に活用しており、既に20本以上を制作、今後のコンテンツ制作にも継続的に活用していく予定です。また、プロジェクト用途以外にも、本学の広報部署が発信する公式アナウンスや各部署が所掌する研修動画、教職員向けの業務説明動画等にも活用され始めており、その優れた利便性から導入を検討する部署が徐々に増加しています。

【AIナレーションソフトを活用した動画コンテンツの一例】
◆「Telework × Flextime 利用モデル」   
多様な働き方の普及・促進を目的とした動画コンテンツ
◆「全方位でDXに挑戦する東北大学」   
学内の業務課題に対してDXによる変革を推進している姿勢をPRする動画コンテンツ
◆「東北大学はDXを先導する」   
AI・メタバース等の最先端技術によるDXを推進する姿勢をPRする動画コンテンツ
◆「社会とともにある東北大学」   
DXによる社会との共創を推進する姿勢をPRする動画コンテンツ

課題

 大学のプレゼンスを向上していくための手段として、これからなお一層ニーズが増すであろう動画コンテンツの制作にあって、AIナレーションソフトウェアは、その利便性の高さから利活用することが必要不可欠になってくるでしょう。今後予測されるニーズの高まりに備え、積極的にノウハウの共有し、利便性を体感してもらうことで時間を有効活用できる感覚を味わってもらうことで、これを活用できる人材をひとりでも多く育成したいと考えています。

今後の展望

 生成系AIの技術は日々進化しており、ナレーション音声だけではなく母体となる動画も含め、コンテンツ制作そのものをサポートしてくれるツールも出現しています。こういった複合的なツールの有効活用も今後検討していきたいと考えています。