Excelマクロで支払伝票を自動作成

導入の経緯
知的財産の活用は、大学にとって重要な収益源のひとつです。本学でも、ライセンス収入などから必要経費を差し引いた分を発明者へ分配する仕組みを整えています。この仕組みを円滑に運用するためには、特許事務所への支払額を正確に把握し、特許管理システムへ正しく入力することが欠かせません。
課題
従来は、担当者がシステムに支払額を入力した後、請求書等を伝票起票担当者に送付し、再度支払伝票を作成するという二重の手間が発生していました。さらに、伝票入力作業は目視で行われており、一定の負担軽減を図るため、財務会計システムの辞書機能を利用して、支払予算が予め入力されたテンプレートを用いて対応していました。しかしながら、以下のような課題が残っていました。
課題
- 金額・相手先・備考欄をすべて手入力する必要がある
- 特に備考欄の記入項目が多く、入力ミスが起こりやすい

これらの課題を解消し、業務の効率化とミス削減を目指して、Excelマクロを用いた支払伝票作成ツールの開発に取り組みました。
支払伝票作成ツールの開発
本部の伝票起票担当係が特許管理システムに登録されている請求額情報を直接参照できるようにしたうえで、以下の機能を備えたEcxelマクロを作成しました。
Excelマクロの主な機能
- 特許管理システムの情報を基に支払伝票用CSVを作成
- ボタン一つで複数伝票を一括作成
- 源泉徴収の有無に応じた伝票種類を自動振り分け
- 特許管理システムのデータをもとに金額・相手先・備考欄を自動作成

導入による効果
支払伝票作成ツールの導入により、以下のような効果が得られました。今回のExcelマクロ導入により、上記のとおり支払伝票作成の効率化が実現し、特許管理業務全体の精度向上につながりました。
Excelマクロ導入による効果
- 複数伝票を一括で作成できるため、作業時間を大幅短縮(伝票作成の工数が月あたり約2時間削減)
- 備考欄の自動入力により、入力ミスを防止し、形式を統一
- 入力作業の負担が減少し、チェック作業に集中できる環境を実現
- チェックの結果を特許管理システム担当者へフィードバックし、データ品質向上にも貢献
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