岩手大学における電子投票アプリの導入

背景

 岩手大学では、大学運営において様々な投票が行われています。これまで多くの投票は紙媒体で実施されてきましたが、教職員の負担軽減(投票所への移動や投票準備、開票作業の負担など)や教育・研究時間の確保を目的に、投票の電子化が検討されてきました。
 しかしながら、投票の匿名性を十分に担保しつつ、管理者側の機能要件(たとえば、大規模な投票において簡便に有権者を登録・確認できる機能など)を満たすツールを見つけることができていませんでした。

電子投票アプリ導入の経緯

 本学が参加する 『大学DXアライアンス』のつながりを活かし、東北大学が開発・導入した電子投票アプリを本学でも導入することになりました。その際、東北大学の皆さんからソースコードをはじめとするアプリの詳細な情報を共有していただき、移植の過程でも手厚いサポートを受けることができました。おかげで、本学でもスムーズにアプリを導入できました。今回の取り組みを通じ、アライアンスの強みをあらためて実感するとともに、今後もこうした連携を深め、より良いDXを推進していきたいと思います。

電子投票アプリの概要

 アプリの使用イメージは、上の図のとおりです。本学の電子投票アプリは東北大学のアプリをほぼそのまま移植したものとなりますので、その概要・機能等は東北大学の電子投票アプリ導入に関する記事を参照してください。

電子投票アプリの活用状況

 2024年10月に学内各課へ電子投票アプリの導入をアナウンスしたばかりですが、2025年1月時点で、すでに13の投票(学部長適任者選考、センター長適任者選考、職員過半数代表の信任投票など)での使用が決定しています。
 12月に実施された農学部長適任者選考では、電子投票を導入したことで、教職員の負担が軽減されただけでなく、従来の紙による投票では71%だった投票率が95%に向上するという効果も見られました。

今後の展望

 この電子投票アプリは、投票者と管理者双方にとってメリットがあるため、学内での幅広い普及を推進し、教員の教育・研究時間の確保や教職員の負担軽減に貢献していきたいと考えています。